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LINEのステップ配信は、なぜ費用が読めなくなるのか

ステップ配信の費用は、シナリオを組んだ時点で「決まり方」が決まります。金額そのものは、毎月の友だちの増え方で動きます。読めなくなるのは、配信ボタンを押さないからです。増えても、手を動かした実感がありません。そして当月の上限を超えると、利用中のすべてのステップ配信が止まります。

出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」(2026年8月10日閲覧)

本記事の仕様・上限・停止時の挙動は、LINE公式アカウント(LINEヤフー株式会社)の2026年8月10日時点の公式情報に基づきます。仕様は改定される可能性があります。

ステップ配信とは、あらかじめ用意した内容を、決めたタイミングで自動配信する機能のことです。公式マニュアルにはこう書かれています。

友だち追加したユーザーに対して、あらかじめ用意しておいた内容・タイミング・期間でメッセージを自動配信できる機能

── LINEヤフー for Business「ステップ配信マニュアル」(2026年8月10日閲覧)

なぜ、請求を見てから驚くことになるのか

ご相談をいただく中で、繰り返し出てくるのが次の3つです。

  • 友だちが増えたら、請求も増えていた。配信の設定は何も変えていない
  • ステップ配信が止まっていたことに、数日気づかなかった。誰も配信ボタンを押していないので、異常が目に入らない
  • シナリオを1本足したら、無料通数を超えた。足したときに増える通数は、自分で計算しないと出てこない

3つとも、原因は同じ場所にあります。ステップ配信が、一斉配信とは別のかたちで通数を積む仕組みだからです。

通数の増え方が、一斉配信と違います

通数の式は同じ。発生のしかたが違う 一斉配信 送ると決める 対象を選ぶ 押す 1回ごとに、人が判断している 増えたら、増やした人が分かる ステップ配信 友だちが1人増える その人ぶんが自動で走る 誰もボタンを押していない 増えても、手を動かした実感がない 月あたりの増分通数 = 対象になる人数 × そのユーザーが受け取るステップ数 友だち追加をきっかけにするなら、対象人数=月間の新規友だち数 通数を決めているのは、配信担当者ではありません。友だちの増え方です。 広告を強めた月も、店頭で友だち追加を促した月も、設定を触っていないのに通数が増えます。
一斉配信は「増やした人」が分かります。ステップ配信は、増やした人がいません。だから請求を見るまで気づきにくくなります。

通数の数え方そのものは同じです。料金プランページに、こう書かれています。

「メッセージを送った回数」×「送った友だちの数」を「通数」としてカウントします

── LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」(2026年8月10日閲覧)

これはステップ配信でも変わりません。

違うのは発生のしかたです。一斉配信は、送ると決めて、対象を選んで、ボタンを押します。1回ごとに人が判断しています。

ステップ配信は違います。開始条件に使えるのは友だち追加オーディエンスの2つです(同マニュアル)。友だち追加をきっかけにした場合、友だちが1人増えるたびに、その人のぶんのステップが自動で走ります。

つまり通数を決めているのは、配信担当者ではなく、友だちの増え方です。広告を強めた月も、店頭で友だち追加を促した月も、設定を触っていないのに通数が増えます。

ステップ配信は、どこまで設定できるのか

項目上限
1ルートあたり最大10ステップ
1つのステップ配信あたり最大100ステップ
ステップ配信の作成50件まで
次のステップまでの待ち時間1〜30日
条件分岐に使えるもの性別・年齢・OS・エリア・オーディエンス

出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」(2026年8月10日閲覧)

この3つは、数えている単位が違います。1人のユーザーが受け取るのは、通ったルートのぶんだけです。

出典の値何の上限か1人が受け取る通数への効き方
1ルート 最大10ステップユーザーが通る1経路1人あたり最大10通/シナリオ
1配信 最大100ステップ全ルート合計の設計量1人には効かない(分岐で分割される)
作成 50件アカウント全体の保有数同時に走る本数 × 最大10通

100ステップは「1人に100通」ではありません。1人あたりの上限は10通です。

ここまで組むケースは多くありませんが、「もう1本足す」を繰り返せる余地は十分にあるということです。

そして待ち時間は1〜30日で設定します。起点は友だち追加です。友だち追加から30日後に届くステップなら、その通数が立つのは翌月以降になります。組んだ月と、請求が動く月がずれます。

上限を超えると、1本ではなく全部が止まります

費用の話で見落としが起きやすいのが、ここです。公式マニュアルの記述です。

当月上限を超過した場合、利用中のすべてのステップ配信でメッセージの配信が停止します

── LINEヤフー for Business「ステップ配信マニュアル」(2026年8月10日閲覧)

当月の通数上限を超えたとき シナリオ A 停止 シナリオ B 停止 シナリオ C 停止 シナリオ D 停止 通数の上限はアカウント単位です。止まるのは、利用中のすべてです。 再開に必要な手順 ─ 自動では戻りません プラン変更 または追加メッセージ上限の変更 「再開」ボタンを押す 人が押さないと戻らない 止まっている間、その人への 最初の接点が空く 出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」(2026年8月10日閲覧)
失われるのは通数ではありません。止まっている間に友だち追加した人との、最初の接点です。

通数の上限は、アカウント全体にかかります。だから「どれか1本が超えた」という止まり方ではなく、動いていたシナリオがまとめて止まります。

再開の手順も決まっています。プラン変更を行うか、追加メッセージ数の上限を変更したうえで、「再開」ボタンを押す必要があります(同マニュアル)。翌月になっても自動では戻りません。

止まっている間、その人に届くはずだった最初の接点が空きます。失われるのは通数ではなく、その期間に入ってきた人との接点です。(再開後に遡って配信されるかは、公式マニュアルに記述を確認できませんでした)

では、何を先に決めればいいのか

順番があります。上から進めると、少ない手間で差が出ます。

  1. シナリオを組む前に、増分通数を出す。計算は [人]× [通/人]=[通] です。友だち追加をきっかけにするなら、人数は月間の新規友だち数、1人あたりの通数はそのユーザーが通るルートのステップ数になります。分岐があるとルートごとに変わるので、ルート別に出して足します。シナリオの全長が1か月を超える場合は、当月に届く分だけを数えてください。これを一斉配信の通数と足して、プランの無料通数と比べます。超えた分に追加メッセージの単価をかけると金額になります(単価はプランと改定時期で変わります)。1本足すときは、既存のシナリオと同じ人が二重に受け取らないかも一緒に見てください。組んでから請求で確かめるのではなく、組む前に紙の上で分かります
  2. ステップ数ではなく、対象人数で調整する。条件分岐には性別・年齢・OS・エリア・オーディエンスが使えます。私たちは、ステップ数を削るより先に、対象人数を絞ります。ステップを削ると、シナリオとしての筋が切れやすいためです。これは私たちの運用方針で、公式の推奨ではありません。絞れば到達する人数も減るので、成果への影響を抑えられる範囲で行います
  3. 上限に当たったときに誰が気づくかを、先に決める。ステップ配信は誰もボタンを押さないので、止まっても画面を見ていなければ分かりません。私たちは、無料枠の80%を超えたら見る、という線でお願いしています。そしてこの確認を配信担当者ではなく、通数を管理している人の仕事にしています。配信を作る人と、枠を見る人を分けないと、忙しい月ほど見落とします

2026年10月1日に、追加メッセージの料金改定が予定されています(LINEヤフー「追加メッセージ料金改定のお知らせ」2026年2月16日告知)。現行の段階表と比べると、単価の刻みが10段から2段に減り、5万通を超える区間の単価はすべて上がります。ステップ配信は自動で通数を積む機能なので、改定の影響を最初に受ける場所のひとつです。料金の決まり方そのものは、LINE運用・構築(SERVICE 02)で扱っています。

よくある質問

LINEのステップ配信は、課金対象ですか?

課金対象です。公式マニュアルに、配信メッセージは課金対象と明記されています。通数の数え方は一斉配信と同じで、送った回数 × 送った友だちの数です。ステップ配信の場合は、対象になった人数 × そのユーザーが受け取るステップ数だけ通数が発生します。(出典:LINEヤフー for Business「ステップ配信マニュアル」/2026年8月10日時点)

通数の上限を超えると、どうなりますか?

当月の上限を超過した場合、利用中のすべてのステップ配信でメッセージの配信が停止します。通数の上限はアカウント単位なので、どれか1本だけが止まる形ではありません。再開するには、プラン変更を行うか追加メッセージ数の上限を変更したうえで、「再開」ボタンを押す必要があります。自動では戻りません。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」/2026年8月10日閲覧)

ステップ配信は、どこまで設定できますか?

1ルートにつき最大10ステップ、1つのステップ配信につき最大100ステップ、ステップ配信そのものは50件まで作成できます。次のステップまでの待ち時間は1〜30日の間で設定します。開始条件は友だち追加とオーディエンス、条件分岐は性別・年齢・OS・エリア・オーディエンスが使えます。(出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」/2026年8月10日閲覧)

ステップ配信の費用は、事前に計算できますか?

前提を置けば概算できます。[人]×[通/人]で、人数は対象になる人数、通数は1人が通るルートのステップ数です。分岐があるとルートごとに変わるので、ルート別に出して足します。友だち追加をきっかけにする場合は、月間の新規友だち数が人数になります。一斉配信の通数と足して、プランの無料通数と比べてください。(通数の数え方の出典:LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」/2026年8月10日閲覧。増分通数の組み立ては私たちの整理です。

出典

・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント ステップ配信マニュアル」公式マニュアル(2026年8月10日閲覧) ── 定義・開始条件・ステップ数の上限・待ち時間・条件分岐・上限超過時の停止と再開
・LINEヤフー for Business「LINE公式アカウント 料金プラン」公式ページ(2026年8月10日閲覧) ── 通数の数え方・プラン別の無料通数
・LINEヤフー「追加メッセージ料金改定のお知らせ」告知(2026年2月16日・2026年8月10日閲覧) ── 2026年10月1日の改定・逓減の廃止
本文の増分通数は、計算の考え方です。具体的な金額の試算は載せていません。実際の通数は、友だちの増え方・分岐の絞り方・シナリオの本数によって変わります。自社の数字で計算してください。仕様と料金は更新される可能性があるため、検討時には公式の最新情報をご確認ください。

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自動で積んでいる通数が、どれだけあるか。

ステップ配信は、誰もボタンを押さないまま通数を積みます。増分通数の出し方は本文のとおりですが、実際のシナリオを見ないと、どこを絞れるかまでは決まりません。絞る余地が無ければ、そうお伝えします。
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執筆者

永野 陽平

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